ママパパ、自分のハナシ

座りっぱなし、立ちっぱなしをリフレッシュ：多忙な親の心と体を癒やす運動セルフケア

多忙な日々の中、忘れがちな「体を動かす」こと

仕事に家事、そして育児。多忙な毎日を送る中で、座りっぱなしのデスクワークが続いたり、あるいは立ちっぱなしで家事に追われたり、お子さんを抱っこしたまま長時間同じ姿勢でいたりすることが多いのではないでしょうか。こうした日常は、気づかないうちに私たちの体、そして心に負担をかけている可能性があります。肩こりや腰痛、体の重さ、そしてなんとなく感じるだるさは、体が発しているサインかもしれません。

限られた時間の中で、自身の心身のケアを後回しにしてしまいがちな多忙な親にとって、「運動」はハードルが高く感じられるかもしれません。「ジムに行く時間なんてない」「ウェアに着替えるのも面倒」と感じるのも無理はありません。しかし、ここで言う運動は、特別なトレーニングを指すのではありません。日常生活の中で意識的に体を動かす、いわば「運動セルフケア」を取り入れることで、心身の状態を整えることが可能です。

セルフケアとしての運動が心身にもたらす効果

体を動かすことは、単に筋肉をつけたり体力を向上させたりするだけでなく、私たちの心にも良い影響を与えることが多くの研究で示されています。

• ストレスの軽減: 適度な運動は、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を抑え、気分を高揚させるエンドルフィンの分泌を促すと言われています。これにより、イライラや不安感が和らぎ、心穏やかな状態を保ちやすくなります。
• 気分のリフレッシュ: 同じ作業を続ける中で体を動かすことは、気分転換に非常に効果的です。滞っていた血行が促進され、脳に新鮮な酸素が供給されることで、集中力の回復や疲労感の軽減につながります。
• 血行促進と疲労回復: 座りっぱなしや立ちっぱなしで固まった体を動かすことで、血行が良くなります。これにより、老廃物の排出が促され、体のむくみやだるさの軽減が期待できます。
• 自己肯定感の向上: 短い時間でも体を動かしたという達成感は、小さな成功体験となり、自己肯定感を高めることにつながります。自分自身の体と向き合い、労わる時間を持つことは、「自分を大切にしている」という感覚を育みます。

セルフケアとしての運動は、長時間の激しい運動である必要はありません。大切なのは、日常生活の中に意識的に「体を動かす時間」を取り入れることです。

多忙な中でも実践できる具体的な「運動セルフケア」アイデア

多忙な親御さんでも無理なく取り入れられる、短時間・お手軽な運動セルフケアのアイデアをご紹介します。特別な準備はほとんど必要ありません。

• スキマ時間ストレッチ（各部位15秒〜30秒）:

  • 座ったまま: デスクワーク中や休憩時間に、首をゆっくり回す、肩甲骨を寄せて開く、腕を上げて伸びをする、足首を回すなど。座りっぱなしで硬くなりやすい股関節周りを軽く伸ばすのも効果的です。
  • 立ったまま: 家事や育児の合間に、壁に手をついてふくらはぎを伸ばす、太ももの前側を伸ばす（片足立ちが難しければ壁や椅子に掴まって）、腰を軽く回すなど。
  • 期待できる効果: 体の凝りや痛みの緩和、血行促進、心身のリラックス。

• 日常動作プラスアルファ（各セット1分〜3分）:

  • 歯磨き中にスクワット: 歯磨きしている間に、ゆっくりと数回スクワットを行います。深く腰を下ろす必要はありません。軽く膝を曲げるハーフスクワットでも十分です。
  • 洗濯物を干しながらかかと上げ: 洗濯物を一つ干すごとに数回かかとを上げ下げします。ふくらはぎの筋肉を使い、血行を促進します。
  • 階段の利用: エレベーターやエスカレーターではなく、意識的に階段を使います。一段飛ばしにしたり、少し速く上ったりするだけでも運動量が増えます。
  • 期待できる効果: 基礎代謝向上、筋力維持、日常的な活動量の増加。

• 意識的な短い散歩や外気浴（5分〜10分）:

  • 通勤時に一駅分歩く、休憩時間に建物の周りを軽く歩く、お子さんと一緒に近所を少し散歩するなど。外の空気を吸いながら歩くことで、心身のリフレッシュ効果が高まります。
  • 期待できる効果: 気分転換、ストレス軽減、適度な有酸素運動。

これらの運動セルフケアは、一度にまとめて行う必要はありません。1日に数回、数分ずつでも良いので、意識的に体を動かす習慣を取り入れることが大切です。

運動セルフケアを無理なく継続するためのヒント

多忙な中で新しい習慣を取り入れるのは大変です。運動セルフケアを継続するためのヒントをいくつかご紹介します。

• 完璧を目指さない: 「毎日○分やらなければ」と気負わず、「今日はこれだけできた」と自分を褒めることから始めましょう。たとえ1分でも、体を動かせたことを良しとします。
• 「ついでに」行う: 既存の習慣（歯磨き、家事、通勤など）とセットで行うことで、新しく時間を確保するプレッシャーを減らすことができます。
• 記録をつける: 簡単なメモでも良いので、いつ、どのような運動をどれくらい行ったかを記録してみましょう。自分の頑張りが見える化され、モチベーション維持につながります。
• 楽しいと感じる工夫をする: 好きな音楽を聴きながら行う、お子さんと一緒に遊び感覚で行うなど、運動そのものを楽しむ工夫を取り入れると継続しやすくなります。
• 優先順位を高く設定する: 運動セルフケアを「やれたらいいな」ではなく、「自分自身の心身の健康のために必要なこと」として、タスクリストに加えるなど、意識的に優先順位を高く設定します。

まとめ

多忙な親の心と体を整えるために、特別な時間や場所が必要な運動だけが全てではありません。日常生活の中で意識的に体を動かす「運動セルフケア」は、短時間でも心身に良い効果をもたらし、多忙なあなたをサポートする力となります。

座りっぱなしや立ちっぱなしで疲れた体に小さな動きを取り入れることは、心のリフレッシュにも繋がり、日々のパフォーマンス向上や心穏やかな状態を保つことにも役立ちます。今日からできる小さな一歩として、ぜひ運動セルフケアをあなたの生活に取り入れてみてください。自分自身の心と体を労わる時間は、きっとあなた自身と、そして大切なご家族の笑顔にもつながっていくはずです。